ボルボEX30は、2023年に発表されたボルボ最小のピュアEV（完全電動）SUVでありながら、ブランドの電動化戦略における象徴的存在です。「小さく、速く、賢く、そして持続可能に」という思想のもと設計されたこのモデルは、ミニマルで効率的な都市型モビリティの新しい理想像を提示します。サイズや価格を抑えながらも、デザイン、安全性、品質、そしてサステナビリティのすべてにおいて、ボルボが持つプレミアム性を妥協なく凝縮しています。

エクステリアは、現行ボルボのデザイン言語を踏襲しつつ、よりコンパクトかつフレッシュな印象に仕上げられています。T字型LEDヘッドライト「トールハンマー」は未来的なアレンジが加えられ、流れるような面構成と短めのオーバーハングが、引き締まったプロポーションと高い機動性を予感させます。都市部での使いやすさを重視しながらも、EVとしての先進性を視覚的にも感じさせるエクステリアは、プレミアムコンパクトSUV市場で確かな個性を放ちます。

インテリアは、ミニマルデザインとサステナブル素材の融合により、これまでのボルボとはまた違ったアプローチを見せています。センターに配置された横型タッチスクリーンにインターフェースを集約し、メータークラスターを排した大胆な設計により、視界の開放感と直感的な操作性を両立。Googleベースのインフォテインメントシステムにより、Googleマップやアシスタントの活用も快適に行えます。

また、室内にはリサイクル素材を多用。シートには再生ポリエステルやウール混紡素材を採用し、トリムやダッシュボードにも再生アルミや再生プラスチックを積極的に使用。これにより、EX30はボルボ史上最もカーボンフットプリントの少ないモデルとなりました。単なるEVとしてではなく、「持続可能なモビリティとは何か」を形にした、思想の強い一台です。

電動ならではの静かで滑らかな走行フィールに加え、低重心でしっかりとしたハンドリングが、コンパクトボディに頼もしさを加えています。

安全性は、もちろんボルボらしく高水準。歩行者・自転車・交差点での車両検知に対応する自動ブレーキシステム、車線維持支援、ブラインドスポットモニター、ドア開放時の後方接近車検知などを搭載。小型車であっても“人を守る”という哲学は一切揺るぎません。

EX30は、コンパクトであることの価値を最大限に引き出した一台です。都市で軽快に使えるサイズ感、シンプルでモダンなデザイン、先進的かつクリーンなインテリア。そして、地球にも人にもやさしい設計思想。そのすべてが、単なるエントリーモデルに留まらない深みを与えています。